セサンバクロシリーズ紹介 10/10

まずは、本日まで続けてこのブログをご覧頂いたことに感謝申し上げます。ただいま開催中のキム・ソングン展『日常の向こうへ ―デペイズマンの世界―』は、来場者の心を穏やかにするような絵画展で、ギャラリーに滞在しているお客様の大半が時の流れを忘れ長時間滞在をしているように思います(^v^)

 

今日はそんなキムソングン画伯の人生をかけたシリーズ『セサンバクロ(日常の向こうへ)』の最終話をお届けします。お楽しみ下さいませ。昨日は、「晩年の時」をご紹介しました!本日は、最終章「感謝の時」をご紹介します!!!

 

日常の向こうへ 『感謝の時』
日常の向こうへ
『感謝の時』

 

「感謝」

全ての生命が誕生する場所である海を目の前にして、自分を産んでくれた母への想い、子供への想い、家族への想い…様々な想いが交錯し、ずっと変わらない空に、そして家族に感謝する。

「ありがとう」…と。その想いを受け止め、それに応えるように、空の色もやさしい色に変化しています。

 

“母なる海”というニュアンスは、世界共通のものかもしれません。海を父と置き換える文化の国もあるそうですが、どちらかというと母。全ての生命の誕生が海からのものだから…と言われています。海を目の前にして、波の音を聞きながら、物思いにふける経験はどなたにもあるでしょう…。

 

この作品は、海の他に、古くなった麦わら帽子が存在感を放ちます。第1章や第2章にも登場した真新しい麦わら帽子…この章では随分と変化しています。これも、人生(イメージとしては母親)の晩年の姿に置き換えて表現されています。

ですから「古い」とだけ言い切れるものではないのです。古くなる理由とその古さには大きな人生が反映されているから…こうして見ると、様々な人生がこれらの作品には映し出されています。作品をただ鑑賞するだけでは、わからなかったものも、こうして一つのストーリーとして描かれると、自分では気付かなかったものに気づかせてもらえる良さがあります。

両親とその子供への愛は、本当に普遍的なものなんだとも気づかせてもらえる…それが、キムソングン画伯のセサンバクロでもあるのです。

 

キム・ソングン展『日常の向こうへ ―デペイズマンの世界―』は、4月29日(水)まで開催します。