こんにちは!いつも当アートギャラリーのホームページをご覧頂きまして有難うございます。週2回の更新と共に、このレポートでは様々な内容をお届けしておりますが、今回は、皆様にヨーロッパの香りをお届けしようと思います。その中でも世界遺産について絞ってお届けしてまいります。今回は、フジムラコンテンポラリーアートの金子がお届けします。
ここ数年の世界遺産ブームでTV番組が増え、お部屋に居ながらまるでその場に行ったかのような錯覚に陥る事も少なくないですね?しかし、やはり本物は違います!今回、私が見た世界遺産も予想以上だった点が幾つもありました。では、まずドイツ「ノイシュバンシュタイン城」から。

ノイシュバンシュタイン城は雲の上

ノイシュバンシュタイン城の足元
この写真の角度は皆さんがよくご覧になるお城ですよね?このお城が何もない森の中に、大きく一つ聳え立っているのは想像つくでしょう。
実は、この写真はかなり高い吊り橋の上から撮影されています。お城の周りも雲に覆われています。よって、撮影場所の吊り橋の高さは写真で想像がつくでしょう(勿論、吊り橋だから、足元スケルトン!ユラユラ~です)。
東京ディズニーランドのお城のモデルとなったといわれるこの城も、岸壁の上にあるのです。この城を建てた王のロマンは、こんな大自然の中に建てる難しさの中にもあったのかもしれません。このお城は、芸術を愛し、芸術的自己満足の為だけに建てられた…とも言われているそうです。
余談ではありますが、ノイシュバンシュタイン城の入場は言語別に分かれており、自由に入場は出来ません。入り口には電光掲示板もあり、まるで地下鉄改札のようです。
次に訪れたのは、スイスです。ここスイスの世界遺産といえばアイガー(3,970m)、メンヒ(4,099m)、ユングフラウ(4,158m)、マッターホルン(4,478m)、、、そうアルプスの山々です。
今回、私はユングフラウ「3,454m」まで、なんと電車で行ってきました!!!既に行った事のある方はご存知でしょうが、ここはヨーロッパ最高地点の駅「ユングフラウヨッホ駅」があります。
(日本の富士山が3,776m。ドライブでも5合目までが限界…と考えると規模の違いが明確です。)この電車は急斜面をゆっくり登る登山列車で到着駅の標高は富士山頂上近くと同じ。頂上で走ると酸欠間違いなしです!(当然禁止です。)

スイスアルプスのふもと
しかし、最も感心するのは、この電車を走らせる為に3,000m級のあの山「アイガー」の北壁をくり貫いてトンネルを掘っていること。途中下車すると、下から見上げたあの巨大なアイガーの断崖絶壁の中から私は雪景色を見ている!!っといった感じになります。この写真を見ても山の中に電車が走っているとは思えませんが…。
途中の電車内から双眼鏡などでよ~く見ると、アイガー北壁には窓があります。「人間のやることに限界はないのかな?」とも感じますし、こんな大工事を行ってでも頂上近くまで電車を走らせたい!という人間の探究心に、全くもって感服です。

ユングフラウヨッホ駅
到着した場所は、写真にある通り「TOP OF EUROPE」。おもしろいことに日本の郵便ポストもあります。四方の窓から見える氷河は、まるで写真。快適な建物の一番高い所から外に出ることが出来ます。世界最高峰の山には険しい道のりなく行けるのですね。本当に人間はすごいです!見渡す限りの氷河の中に立ち、自然のすごさを感じつつも、この氷河が随分と少なくなっていると聞かされました。
この氷河が少ない!という事は、初めてそこを訪れた私でさえも感じることができましたから…。難しい価値観に話が発展しましたが、とにかく一度訪れてみて下さい。麓に下りてくると、のどかな牧草地が広がります。日本のグリーンとは異なる色、木々も鮮やかです。
今回、ご紹介の最後の国はフランス。
フランスも世界遺産がとても多い国ですが、今回は有名なモンサンミッシェルについて。
パリ市内から日帰りツアーが出ており、大変便利です。丸一日かかりますが、楽しい感動があるはずです。この修道院は潮の満ち引きで陸地からの道が水没することは有名な話ですが、今は観光道路が通り、この潮の満ち引きが出来なくなる状態になり、環境悪化が叫ばれた為、なんと新しい橋の建設に取り掛かっているのです。
このモンサンミッシェルは一番上まで上がるといかに周囲の干潟が広いかが分かります。この広い干潟の環境がたった一本の道路で悪化するというのか…正直な感想。歴史があるものを守るって、本当に大変ですね。特に自然は。

モンサンミッシェル

モンサンミッシェルの屋上はガーデンです
また、ツアーで行くと、お決まりの食事があります。プーアールおばさんのオムレツ(卵を泡立てて焼くので中はふわふわ)やビスケット、あとはエスカルゴなど。歴史を感じながらも、おなかも満たさねば旅行の醍醐味は半減ですね。ワインも豊富ですから、フランスは五感をたっぷり使えるかと思います。

エスカルゴ美味しそう~
他には、ノートルダム寺院もお勧めです。外観は有名ですが、実際目の当たりにすると本当に大きい。しかも、中のステンドグラスが素晴らしい。一般的な表面に色つけしたガラスではなく、ガラスそのものに色を付けるという当時の手作りを今に残す貴重なものです。
長い歴史の中にあった戦争などをくぐりぬけ、今に残るこの過去の偉人の成し遂げたものは、みんなの力で守るべきですね。実際に見ると、心からそう思います。と同時に自分の出来ることの少なさも痛感します。
私たちもギャラリーでは時々、世界遺産展なども開催しています。どんな国のどんな画家が描いたとしても、伝えたいことは同じかも…?とも思います。
私は、絵を描くことが出来ませんから、「画家の“思い”くらいは一生懸命代弁したい」と思いました。皆さんのご自宅にある作品も、いつかは“遺産”と呼ばれるものになっていきます。私達は、皆さんに作品を紹介するだけでなく、その思いや共に過ごす時間、そして叶うなら、そんな世界各国の世界遺産も見に行けるギャラリーでありたいと思います。
昨年は、韓国の世界遺産「昌徳宮」にお客様と行くことが出来ました。今年も色々な計画は立てたいと思っています。機会ありましたら、ご参加頂ければ…と思います。