新章開幕のりゆき喜寿展、新作シリーズ『明 -AKARU-』発表

のりゆき画伯による新作展『明 -AKARU-』が開催となりました。

2026年9月の企画展案内はがき写真
2026年9月 企画展案内はがき

前作『玄 -gen-』シリーズから5年。
多彩な作品を発表してきたのりゆき画伯が、本作で挑むのは“新しい色彩”です。

最新作のテーマカラーについて、のりゆき画伯は「出発点」ともなる色、と話します。

画業55年ともなる本展『明 -AKARU-』は、画家のりゆきの喜寿を祝い、“鶴寿”(かくじゅ)を願う祝賀展でもあります。

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画家 のりゆきについて

のりゆき画伯
のりゆき画伯

「マンガの神様」と称される手塚治虫先生を師と仰ぎ、アニメーターとして活動していた時代、少年ジャンプや科学雑誌「ニュートン」をはじめとする商業誌などでの数多の活躍を経てきたのりゆき画伯。

のりゆき作品写真

当ギャラリー、フジムラコンテンポラリーアートでは2011年より日本画材「岩絵の具」を手にし、以降、日本画というジャンルでもその画力・多様性を証明してきました。

のりゆき作品写真

画家のりゆきが魅せる作品世界は、趣向を凝らした作風と色彩の絢爛さが何よりの魅力です。

衰えない好奇心と柔軟な発想で描かれた作品たちは、“日本画の魅力”を伝える役割を担いながら活力に満ち、生き生きと輝いています。

アメリカンカルチャーから多大な影響を受け、SFの世界や、彩度の高い表現を開拓してきたのりゆき画伯。

画材の写真

そんなのりゆき画伯が、日本の伝統画材を手にしたのは、自身の故郷である福島、東日本大震災がきっかけでした。

日本に生まれ、若くして米国も見てきた画家が捉えた「日本のこころ」を、どのように作中に遺していけるか。

ギャラリーで打ち合わせするのりゆき画伯の写真
ギャラリーで打ち合わせするのりゆき画伯

のりゆき画伯と当ギャラリーとのプロモーション作品制作は、自国について向き合う時間でもあります。

2021年『玄 -gen-』シリーズ発表

『玄 -gen-』発表時の企画展案内はがき
2021年『玄 -gen-』シリーズ発表時の企画展案内はがき
『玄 -gen-』展示のポスター写真
『玄 -gen-』展でのポスター
画業50周年記念展『玄 -gen-』に寄せて

2021年に開催した、極彩色の絵画を手掛けてきたのりゆき画伯の、画業50周年を祝した企画展『玄 -gen-』展では、これまでと一変した作風に挑戦いただきました。

のりゆき『玄 -gen-』展開催中の様子

「人生の四季」をテーマに、豊かな墨色(まさに“墨に五彩あり”)のシリーズを発表。

 のりゆき画伯の画業50周年を記念したこの企画は「色」での表現にこだわってきた画伯が、日本画の歴史を語る上で“はじまりの色”ともなる、黒色−墨色−で仕立てた作品でした。

「玄(げん、くろ)」とは、黒色を指しますが、ただの真っ黒ではなく、美しい墨の濃淡のような、無彩色のグラデーションも指します。

光の加減により、藍色や孔雀色にも見えるのが魅力です。

のりゆき:
「日本画とは何か、と自分なりに考える時には決まって故郷の仙台を思い出します。

日本を描くとは何か。
原風景を思うと、それは一つに、自然、水、それらが豊かな風土であり、湿度を感じること。絵にも、そういった印象が必要だと思いました。」

また、『玄 』というタイトルには、色の「黒色−墨のような色−」のほかに、幽玄、幽遠、天空の色、森羅万象、老荘思想の哲理…時空を超えた概念の意や、技芸などに熟達した人物を指す「玄人(くろうと)」という意味も含みます。

当時、齢73を迎えたのりゆき画伯にとって『玄』シリーズは、人生の四季の冬…「玄冬(げんとう)」を体現するもの。

人生を四季に見立てたとき、「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬=黒い冬」に配する季節の彩りを描きました。

のりゆき画伯『玄 -gen-』作品写真

「絵の具」も、多数の色彩を混ぜ合わせると、その色味は“黒色”に近づいていきます。

『玄 -gen-』シリーズで魅せる黒は、宇宙の色でもあり“すべてを統べる色”。

さまざまな季節を歩んできたのりゆき画伯が、新たな「関門」を開き、その先へと進む「入口」に立つ…

そんな多くの意味を含んだシリーズが、『玄 -gen-』だったのです。

『玄 -gen-』作品解説

のりゆき『玄 -gen-』展開催中の様子

玄シリーズ「玄冬」

時の流れは、気づけば濃く染まる
冬の空に似ている。

四季の暮れは、おわりと同時に
つづく季節への“はじまり”を予感させる。

幽玄の地にひっそりと佇む牡鹿は
巡り続ける森羅万象の象徴でもある。

天井から差し込む光が これまでの歳月を映し出し、
新たな入口に辿り着いたことを讃えてくれている。

「鹿」

古くから、人々の暮らしの身近に存在してきた鹿。
世界各地の神話や文化の中にも、その姿を見ることができます。

日本神話にも登場する鹿。
『古事記』に記される鹿の神「アメノカク」は、険しい場所を駆け上がる力を持ち、神々から重要な役目を託された存在として描かれています。

そして、鹿を特徴づける大きな「角」。

鹿の角は成長したのちに落ち、やがてまた新しい角が生えてきます。
その生命の営みから、鹿やその角は、古くから「再生」や「生命の循環」と結びつけて捉えられてきました。

古いものを手放し、また新しく生まれる。

鹿の姿には、自然が繰り返す「終わり」と「始まり」が重なって見えるのかもしれません。

『明 -AKARU-』展 開催概要

本展『明 -AKARU-』は、新たな幕開けとなる“ハレ”の企画です。

新しい画材にも挑戦しながら、前作『玄 -gen-』シリーズにて開かれた画業の‟入口”、その先の情景を描きます。

日本の画材や技、伝統色。
画家自身の生き様から、‟日本のこころ”をご堪能ください。

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