皆様こんにちは。たびたび登場しておりますイベントプランナーの武藤です。
去る6/30(火)、ついに“彼”が当ギャラリーに来場してくれました!
もちろん予定通りである訳ですが、実際に彼の姿を見るまでは「本当にココに彼がやってくるのか?」と何故か半信半疑、以前からファンであった僕は朝から緊張で何だかフワフワした感覚で今ひとつ落ち着かなかったと正直に告白させていただきます(笑)。
その彼とは…そう、

皆様ご存じのFAIR WARNINGのウレ・リトゲン画伯です!
今回のイベントでウレ・リトゲン画伯はトークショーの間、時に立ち上がって作品の近くまで行くなど一つ一つの作品について熱心に解説、考え込んで言葉を慎重に選ぶ場面もあり、お客様方の質問にも一生懸命に答えていただき、スタッフ一同感動した次第です…いや本当に。
さて、ボリューム満点のトークショーの中から抜粋して、その内容をお伝えしたいと思います。
「ウレ・リトゲン来日展2009」開催

このテンプル・オブ・ライト・シリーズは20作程のアイディアがあるそうですが、現在出来上がっているのは5作。
アイディアをどのモチーフに合わせるかは現在進行中だそうです。この作品は夜明け前で、光は全てを現実のものにする物であり、光によって全てがはっきりと見えるとした上で、水と光は重要な要素であり、何故なら全てをはっきりとさせ生命を与える物とコメント。
またどの作品にも光は効果的に使われており、自身の作品について、全てシンボリックな物が中心でそこからストーリーが生まれ、そのコンセプトは制作前から考えているのではなく、制作中に出てくるものとコメントしていました。

ウリ・ジョン・ロートのピアノソロである「The Aquila Suite」12曲に合わせた絵画を描いて欲しいと依頼を受けて制作した、その名も「ザ・アキィラ・スィート・シリーズ」の中の1作。
このシリーズについてウレリトゲン画伯は、抽象的な音楽であった為に制作するのは大変だと感じたそうです。
すぐインスピレーションが沸いた楽曲もいくつかあった様ですが、「どう形にするか迷った…。」とコメントしている事から、制作にはかなり苦労された様です。
この作品については、ギリシャ神話に出てくる“死ぬとスピリチュアルな存在になる”と言う話から、違う次元の意識レベルになる過程を描いたものであり、モチーフである船は魂、周りの雲に関しては、そこにあっても触る事が出来ない「現実だが非現実的なもの」とコメントしていました。

《Evening Wing》
ここに描かれているのは静かな海の様ですが、それが海か湖かは重要ではなく、そこに水がある事が重要である様です。
水平線に沿って対比するかの様に描かれた水の反射によって光をより美しく表現し、鳥(スワン)は自分の魂の象徴として描いていおり、また鳥(スワン)はインスピレーション、純粋な部分の象徴だとコメント。
また作品全般について、ウレ・リトゲン画伯自身も違う時間や雰囲気の中では見方が変わり、皆さんの解釈がウレ・リトゲン画伯の解釈と違っても、「自分の解釈を大切にして欲しい。」との言葉が印象的でした。

《DREAM IN DREAM》
ジーノ・ロートの書いた詩を元に描いたという「ジーノ・ロート・シリーズ」の中の1作。作品はそのジーノの詩と“対”になっており、詩を語ってしまうと詩の世界に引っ張り込まれてしまうので詩については語らない様です。因みにジーノ・ロートが書いたという詩は現在未公開。
と言う事で別の形で作品についてコメントをして頂きました。
ある人が散歩をしている。そして何かを探しているが、それが何かも明確ではない。
でも、その人にとってはとても楽しい散歩。
その楽しい散歩の途中に水のある所で休憩をしている。
散歩しながら自分の世界に入っていて、例えば”今何時なんだろう”と思い時計を見たりすると現実的になってしまうもの。ひとつの小川に沿って辿り着き、リラックスして休憩している場所で、湖は小川が終結した湖である。
そしてこれは平和のシンボルである。

今回の目玉作品!昨年リリースされたウリ・ジョン・ロートの同名のアルバムのアートワークに使用された作品です。
街並みにはピラミッドやエッフェル塔などが描かれ、これは現在の我々の世界の象徴となってます。そして空を覆い尽くす様な雲は我々の世界への脅威であり、キリスト教の世界観では虹を神と人間を結ぶ橋であり、神が人間を救う象徴とされていますが、その虹が脅威である雲を抑えています。
空に描かれた人物はキリスト(=救世主)。この作品は我々人間に対する「警告」と、これから「どうすれば良いか」を表しているのだそうです。
その他、参加者の質問にも答えてくれましたが、「どんな時に絵を描きたいと思い、どんな時に音楽を作りたいと思いますか?」との質問には、特にハッキリとした境界線は無く、ただ日常的な時(例えば買物など、現実的な事に追われてる時)はクリエイティブにはならないとコメント。クリエイティブな時は自分の時間を持って、山に籠った様になると答えてくれました。
また絵画のクリエイトについては葛飾北斎の名前を挙げ、富士山がモチーフで他は色々である様に、シンボルを多面的に見て行くのが気に入っているともコメントしていました。
「ウレ・リトゲン来日展2009」お客様レポート
それではここで、今回の来日展にお越しいただいた“お客様の声”を、ご紹介させていただきます。
まずはウレ・リトゲンファン歴17年の小林様のレポートから。
FAIR WARNINGメンバー全員のサイン入りデビューレコードご持参の小林様
初めてFUJIMURA CONTEMPORARY ART.のホームページでウレ・リトゲンの名前を見たのはずいぶん前になります。
「おやっ」と思ったのは、私が長年FAIR WARNINGのファンだったからでした。
FAIR WARNINGは1992年に日本でもデビューし、初めてその音楽を聞いて以来ファンとなった私は、出るCDは全て買い、彼らの音楽のルーツにも遡り、深夜のラジオ(今も当時もHR/HM関係の番組はとにかく夜中スタートでした)に良く耳を傾けてきました。

そのFAIR WARNINGのウレ・リトゲンが画家としてギャラリーに来店するというのは、なんとも奇妙な感じがするなか、当日はあっという間にやってきました。

昔からHR/HMをやっているミュージシャンに対する一般的なイメージは荒々しく思われがちでしたが、実はそうでもないことが多く、ステージを降りると意外と物静かな方が多いなか、ウレ・リトゲンも非常に紳士的で大人しい感じでの登場でした。
絵についてもこちらの質問に答えてくれるというよりは、自らどんどん説明をしてくれ、画家としてのウレ・リトゲンを目のあたりにしたトークショーといった感じでした。

ウレ・リトゲンの絵は題材が非常に幻想的なものが多く、頭に浮かんだものを絵に表現していくというプロセスは音楽制作につながるところがあるのかなという感じでした。
また音楽と同様、彼の周りにいるミュージシャンに思想にも強く影響を受けたのかなといった感じも受けました。そういう意味では、いつ頃から絵を勉強して、どういう画家に影響を受けたのかなど画家としてのウレ・リトゲンの過去について彼の口からいろいろとお聞きもしたかったのですが、その辺は次回来日までのお楽しみということで!


最後にFAIR WARNINGのデビューアルバム発表時に深夜ラジオのプレゼントに必死に応募して見事当選した、FAIR WARNINGメンバー全員のサイン入りデビューレコード(ヨーロッパで制作されたテスト音源のため非売品)とともに記念撮影をして頂き、無事、夢の時間は終了したのでした。

ちなみにそのあと近くのうどん屋で、果敢にうどんにチャレンジしているウレ・リトゲン氏を見かけ、なお身近に感じた一日だったことも付け加えておきます…。
絵画からウレ・リトゲン氏を知った勝島様
続きまして、神奈川県にお住まいの勝島様!!
なんと勝島様は、ベーシストとして世界で活躍中のウレ・リトゲン氏を知らなかった方なのです。まさに、ウレ・リトゲンの絵画からウレ・リトゲンを知り、ウレ・リトゲンの描く幻想的な世界に引き込まれ、ウレ・リトゲンファンになった…という方です!

そんな、勝島様のウレ・リトゲン作品との出会いから初対面までの変遷をお送りします。
2009年2月、ウレ・リトゲン画伯の作品をフジムラコンテンポラリーアートで「日本独占契約~発売開始」させていただいてから2ヶ月目の時に…新しい画家の絵を一目見たいとギャラリーにご来店下さったのが、ウレ・リトゲン作品との出会いとなった勝島様。そして初めて見たその日、《River of Oblivion》に一目惚れなさったのです。

その時の、ご本人の感想は、
「第一印象は、とにかく絵が明るくて綺麗。空が沢山の色で表現されていて、今までに見たことのない色に染まっていて美しい!平面の絵なのに、まるでどこまでも続いていくように感じる空。思わず絵の前に立ち止まり、じっと見てしまいました。本当に吸い込まれそうでした…。
そこからはライトアップ!光が当たると本当に朝日が昇るように感じました!!だから、今日一日をガンバローと思える。元気をもらえる絵でした。
あと、いつか富士山から日の出を見てみたい…たぶんそこから見た風景は、《River of Oblivion》のようかもしれない。雲が自分よりも下にある景色に憧れがあるんです(*^_^*)」
…と、本当に素敵な出会いだったようです。

ミュージシャンとしてではなく、「画伯」の“ウレ・リトゲン”としかご存じない勝島様は実際にお会いした感想を、
「とにかく、凄く緊張しました。やはり、世界で活躍している有名人は、オーラが違う!!絵についての質問を考えようにも本人が目の前にいて頭が真っ白になりました。でも、実際に質問をすると、ウレ・リトゲン画伯は質問に丁寧に、丁寧に答えてくれて、スーパースターのイメージが変わりました。
そして、お会いする前よりも、お会いした後の方がより一層、絵もウレ・リトゲン画伯のことも素敵だなと思いました(^◇^)それに、普通はやりたいことをやり続けることは難しいはずなのに、ウレ・リトゲン画伯は、絵も音楽も成功されているところにも、凄く憧れました♪」
と、絵のみならず、アーティストの人柄そのものも気に入られたようでした。
ウレ・リトゲンファン歴20年の大屋様
続いては、ファン歴20年となる大屋様によるレポートをお届けいたします。

去る2009年6月30日に行われたウレ・リトゲン来日イベントに参加させていただきました。20年来のファンである私にとって当日は特別な日であり、ギャラリーにウレ・リトゲンが現われたときは興奮がピークに達し、感激で息が詰まりそうでした。

イベントは皆でウレ・リトゲンを囲むように座り、何とウレ・リトゲンまでの距離は2メートル弱!こんなに接近できる機会はこの先無いかもしれません(笑)。

実際のウレ・リトゲンは終始笑顔を絶やさず、口調も穏やかで、1つ1つの絵を丁寧に説明してくれました。大物アーティストにもかかわらず、フレンドリーでファンを大事にするその姿勢に彼の人柄を感じました。
私自身、ウレ・リトゲンに対して直接質問をすることが出来、今回初披露された《UNDER A DARK SKY》に込められた素晴らしいメッセージの存在を知り、この絵に対する思い入れが一層深くなりました。

イベントの最後に直筆サインを頂いた際、ウレ・リトゲンから「君のレポートを見たよ」と言われ、またまた大感激でした!
そうです、私が以前《GOLDEN DAWN》を購入した際、ギャラリーのホームページに寄稿させてもらったレポートを彼はちゃんと見てくれていたのです!

最後はツーショットの写真まで撮って頂き、まさに生涯忘れる事の出来ない一日となりました。
今回購入した《UNDER A DARK SKY》は、昨年発売された同タイトルのCDジャケットで使用されており、初めて見て以来、ずっと欲しかった絵です。家宝として家の一番目立つところに飾らせていただきます。
届くのは10月頃の予定ですが、偶然にもFAIR WARNINGの来日公演も10月に決定し、この秋は楽しみがダブルになりそうです。
Hi!Ule
Remember me? It’s TOMOHIRO.
I really enjoyed your visit to The Gallery Fujimura.
Recently I bought your printing called “UNDER A DARK SKY”.
I have been after this since the album came out.
I really wanted this and it is now one of my greatest treasures.
I am really looking forward to your concert in October.
See you at LOUD PARK!
「ウレ・リトゲン来日展2009」を終えて

ウレ・リトゲン画伯にとって、画家としては今回が初のイベントであり、我々にとっても初のウレ・リトゲン画伯をお迎えしてのイベントだった訳ですが、参加者の皆様、楽しんでいただけましたでしょうか?

ロックミュージシャンのベーシストとしてのウリ・リトゲンファンの方はもちろんのこと、ウレ・リトゲンのことをご存じない方にも、フジムラコンテンポラリーでしか見ることのできないこの素晴らしい作品を是非ご覧いただき、一人でも多くの方が、ウレ・リトゲン画伯の絵のファンになっていただけることを願っております。
ご本人は翌朝ドイツに帰国されましたが、今回のイベントを大変喜んでいただいて、また楽しんでいただいた様でした。
必ず、次回もウレ・リトゲン画伯をお迎えしたイベントを開催したいと思っております!こうご期待!
