絵画と音楽とウレ・リトゲン

再び登場しました、「名曲EASTERN SUNはウレリトゲンのあのベースラインがあってこそ!」と思っているイベントプランナーの武藤です。

ミュージシャンにならなければ作家か哲学者になりたかったと発言していたウレ・リトゲンですが、以前より絵画(人物画)が得意で、その腕前がかなりのものであった事は、FAIR WARNINGのファンであればご存じの方は多いと思います。

 

音楽と絵画は全く別種の芸術ですが、実は古くから深く影響しあってきた側面があります。例えばムソルグスキーの名曲「展覧会の絵」は、画家であった友人の遺作展から10枚の絵画を選び出し、それぞれの題名の印象を音で表現したものと言われています。楽曲の題名である「展覧会」とは、その遺作展の事なのです。

またフランツ・リストは、「死の勝利」という絵画作品からインスピレーションを得て「死の舞踏」を作曲したと言われていますし、ドビッシュー「交響詩:海」は、葛飾北斎「富嶽三十六景 神奈川沖波裏」から着想を得たと言われています。

 

抽象画の先駆者の一人とも言われるワシリー・カンディンスキー「音楽が芸術の最高の師匠である」と信じていた様ですが、著作「CONCERNING THE SPIRITUAL IN ART (芸術における精神性について)」の中で芸術家をピアノに例え、「色彩は鍵盤である。眼はピアノのハンマーである。そして魂はたくさんの弦を張ったピアノである。

芸術家はそのピアノを奏でる手である。鍵を使いわけて魂を揺さぶるのである。故に色彩の調和は人の魂への波動のみに呼応するものであることは明白であり、内面の必然性へ導く要素のひとつである。」と書いています。

 

少々強引ではありますが、仮にこの言葉をウレ・リトゲンに当て嵌めるとすると、「色彩はフレットであり、眼は彼がベースを弾くピッキング行為であり、魂は弦を張ったベースそのものであり、ウレ・リトゲンはベースを奏でる手である…」となるのではないでしょうか。

最も古い絵画は洞窟壁画ですが、まだ文字や言葉という文化を持たなかった人類にとって絵を描く事は生活の中で重要な要素の一つであったし、ロック・ミュージックの源と言えるブルース・ミュージックは黒人のワークソングであった訳で、それぞれ歴史を遡れば人類の歴史が浮き彫りになってきます。

 

絵画も音楽も共に人という生物の遺伝子の中に組み込まれているものであり、水や酸素と同様に人類には無くてはならない物であるとすれば、結び付きが深いのは当然と言えるのかも知れません。

今回のウレ・リトゲンの作品を初めて観た時、シーンの第一線で音楽をクリエイトし続けてきた「ウレ・リトゲンというミュージシャンの感性」と、作家か哲学者になりたかったと言う「ウレ・リトゲンという人物の知性」が見事に融合し、まるで分身の様な作品であると感じました。

 

 

例えば「Evening Wing」1枚をとってみても、描かれた白鳥を輪廻転生のシンボルとした上で、朝・昼・夜という1日の時間の経過を、人間の誕生から死に至るまでの時間の経過と重ね合わせており、更に白鳥そのものは直感の神秘を具現化したものであると言う深い意味合いがありますが、色彩の鮮やかさや構図、叙情的な要素を加味した美しくも神秘的な感覚は、ウレ・リトゲンがこれまで生み出してきた音楽性と同種の物を感じます。

 

各作品のコメントからその深い意味合いをじっくりと噛み締めてみたり、またウレ・リトゲン自身が残したこれまでの音楽との共通性を独自に見出してみたり、今回ご紹介する5作品は様々な楽しみ方が出来ると思うのです。

是非一人でも多く方に今回の作品達を存分に楽しんで頂きたいと思っています。2月の「ウレ・リトゲン展」が、日本最大級の音楽情報サイトBARKSとFAIR WARNINGのCDをリリースしているアヴァロン・レーベルの「FAIR WARNING 最新情報!」ページに掲載されました。

 

BARKS掲載ページ

「BARKS」
http://www.barks.jp/news/?id=1000046902

 

 

アヴァロン・レーベル掲載

 

尚、今回NEWS欄で取り上げて頂いた他の情報サイトの皆様にも、
この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!

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